基礎が知りたい! ネイルの検定について(ネイル検定・ジェル検定)
ネイル検定? ジェル検定? ネイリスト検定?
どんな種類があって、何を取ればいいかわからない!
そんな方に向けて、基本的なネイルの検定について易しくお伝えします。
ネイルスクールを介していないので、中立的な解説ができればと思っています。

目次
1. 基本の検定
ネイルに関する基本的な検定試験と多く言われるのが
◾️JNECネイリスト技能検定試験(通称:ネイル検定、ネイリスト検定)
◾️JNAジェルネイル技能検定試験(通称:ジェル検定、ジェルネイル検定)
の2種類です。
主に、ネイルサロン就職の際に求められたり、ネイルスクールの授業の区切りとされているなど、現在ネイリストとしての技術力を示すために最も有効な資格とされています。
「ネイルに関する資格が取りたい」と思ったときに取る資格 と考えても良いかもしれません。
ちなみに、この他にも多くの資格試験が存在しますが、それらは “基本の検定” を取得後に受験資格が受け取れるものや、スキルを磨くための資格がほとんどのため、始めに挑戦する資格試験としてはやはり上記の2種類になるでしょう。
ただし、注意したいのは「ネイリストになるために特別必要な資格はない」ということ。
資格を求めないサロンも存在することや、サロン開業に伴い必ず必要というわけではないことは覚えておきたい点です。
ざっくり、その他の資格
ネイルサロン衛生管理士
:JNA認定資格。サロン運営において正しい知識と安心安全なサービスの提供を目指す。
JNAフットケア理論検定試験
:適切なフットケア施術の普及、プロとして正しい知識の取得を目指す。(受験条件あり)
JNA認定講師資格試験
:スクール講師やイベント運営、試験官としてJNAに関わる資格を取得できる。(受験条件あり)
ネイルスペシャリスト技能検定試験
:ネイルのスペシャリストとして技能、知識が問われる検定試験。
2. ネイル検定(JNECネイリスト技能検定試験)
「JNECネイリスト技能検定試験」について解説します。
「JNECネイリスト技能検定試験」はいわゆる “ネイル検定” と呼ばれるもので、ネイルの検定の中では歴史の長い検定試験です。そのため知名度も高く、2025年現在受験者は約1,000,000人に上ります。
内閣総理大臣が認める日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が認証した資格試験なので、ネイリストの技術力・知識の証明として有力な資格の1つになるでしょう。
試験には階級があり、上から「1級、2級、3級」とあらわされます。
筆記試験と実技試験の両方が問われ、実技のカラーではネイルポリッシュを使用します。
以下は各級の詳細です。
3級(2024秋期まで累計)
受験条件 | 受験時に義務教育を修了している方 |
概要 | ネイリストベーシックのマスター。 ネイルケア、ネイルアートに関する 基本的な技能および知識 |
試験時間 | 実技 65分 / 筆記 30分 (その他準備・審査時間あり) |
実施回数 | 年4回 |
合格率 | 85.24% |
受験料 | 6,800円 (内消費税618円) |
2級(2024秋期まで累計)
受験条件 | 3級取得者のみ |
概要 | サロンワークで通用するネイルケア、 リペア、チップ&ラップ、 アートに関する技能および知識 |
試験時間 | 実技 計85分 / 筆記 35分 (その他準備・審査時間あり) |
実施回数 | 年4回 |
合格率 | 43.54% |
受験料 | 9,800円 (内消費税890円) |
1級(2024秋期まで累計)
受験条件 | 2級取得者のみ |
概要 | トップレベルのネイリストとして 必要とされる総合的な技能および知識 |
試験時間 | 実技 150分 / 筆記 40分 (その他準備・審査時間あり) |
実施回数 | 年2回 |
合格率 | 39.62% |
受験料 | 12,500円 (内消費税1,136円) |
試験条件にもある通り、飛び級不可の資格試験のため、3級から順に受験する必要があります。
最新の情報や試験要項はJNECのHPにて詳しく掲載されています。
(※受験の際もこちらから情報を入手する必要があります。試験時間の変更等にお気をつけください。)
細かいところになりますが、合格率を見ると2級と3級に大きな差が生まれています。
これは例年変わらない傾向で、独学でもスクールに通っていても当たる壁となります。
個人的な意見ですが、基礎的な技術をきちんと3級受験時にマスターしておくと、時間短縮や減点項目の減少にもつながるため、この合格率の差を重く捉える必要はないかと感じています。(2級で行う新しい項目に必死で基礎的な部分が疎かになり、その減点が仇となって不合格につながるケースが多いという)
3. ジェルネイル検定(JNAジェルネイル技能検定試験)
次に「JNAジェルネイル技能検定試験」です。
こちらは2010年に開始した、JNA主催の比較的新しい検定試験です。
ですが現在、ネイルサロンの多くでジェルネイルが求められていることから、ネイリストとして需要の高い資格になっています。
階級には、上から「上級、中級、初級」が存在します。呼称だけで「JNECネイリスト技能検定試験」と区別ができますが、混同しやすくもあります。
上級以外に筆記試験と実技試験が求められ(上級は実技のみ)、実技試験ではジェルネイルが使用されます。
以下は各級の詳細です。
初級
受験条件 | 義務教育を修了している方 |
概要 | ネイルケアのベーシックマスターと ジェルネイルを施術するために必要な 基礎的知識と技術の修得 |
試験時間 | 実技 計90分 / 筆記 30分 (その他準備・審査時間あり) |
実施回数 | 年2回 (認定校で不定期開催) |
受験料 | 9,900円 (消費税10%:900円) |
中級
受験条件 | 初級合格者 |
概要 | ネイルケアとジェルネイルを施術するために プロとしてサロンワークに必要な 専門知識と技術の修得 |
試験時間 | 実技 計105分 / 筆記 30分 (その他準備・審査時間あり) |
実施回数 | 年2回 (認定校で不定期開催) |
受験料 | 13,200円 (消費税10%:1,200円) |
上級
受験条件 | 中級合格者 |
概要 | ジェルネイルのスペシャリストとして 必要とされる総合的知識と技術の修得 |
試験時間 | 実技 計150分 (その他準備・審査時間あり) |
実施回数 | 年2回 (認定校で不定期開催) |
受験料 | 16,500円 (消費税10%:1,500円) |
最新の情報や試験要項はJNAのHPにて詳しく掲載されています。
(※受験の際もこちらから情報を入手する必要があります。試験時間の変更等にお気をつけください。)
「JNAジェルネイル技能検定試験」は「JNECネイリスト技能検定試験」と同様に、飛び級ができない試験です。
ですが、異なるのは「JNAジェルネイル技能検定試験」には条件を満たすと実技第一課題が免除になるシステムがある点です。
第一課題免除の条件
◾️初級
→JNAネイリスト技能検定国際試験3級以上取得/ネイリスト技能検 定試験(JNEC主催)の3級以上を取得
◾️中級
→JNAネイリスト技能検定国際試験2級取得/ネイリスト技能検定試験(JNEC主催)の2級以上を取得
これにより実技試験第1課題(ネイルケア)が免除されます。
ですので、効率よく受験をするには取得する順番もポイントになるというわけです。
次の章でお話しします。
4. 取得の順番は?
前述の通り、取得にあたり受験する順番にはポイントがあります。
理由は、どちらの資格試験も飛び級ができないこと、また「JNAジェルネイル技能検定試験」の第一課題免除システムのためです。
各試験階級順に受けること、初級は3級合格後、中級は2級合格後に第一課題免除を狙うとすると、
最も効率の良い受験順は以下のようになります。
3級 ▷ 初級 ▷ 2級 ▷ 中級 ▷ 1級 ▷ 上級
試験時期や技術力を考慮しながら、受験時期を決定していただければと思います。
5. 何を取得すべき?
ここまで資格試験についてお伝えしてきましたが、結局のところ何を取得するべきなのか?
答えは「自分の定めたゴールによって変わる」です。
ではどんなゴールによって変わるのか。投げやりにも聞こえる答えを解説していきます。
ここでは、大きくサロン就職、店舗開業、自宅開業にわけて記述します。
サロン就職希望
サロンによって求められる資格は変わります。採用条件に資格が必要ないサロン、必要なサロン両方存在するのが現状です。自身の希望するサロンから逆算して取得するのも1つの手として考えられるでしょう。
ただし、スタッフ間における集客数の差の原因に資格が関わることが注意点です。資格は安全性・技術力の保証にもなります。そして、経験年数で給与が変わるサロンがあるのに対し、資格によって手当や基本給が異なる場合もあります。
総じて、ネイルサロン就職を考える場合、検定は強い味方になることを覚えておくと良いかもしれません。
店舗開業希望
何度も記述しますが、ネイリストに必ず必要な資格は存在しません。ただし、開業に必要な資格はあります。
また、サロン勤務を経ずに開業する場合、0から集客せねばなりません。その際には、安全性や信頼を謳うために資格検定は有効となるでしょう。ネイルの検定について必要な資格はないため、材料、場所があれば開業することが可能です。
自宅開業希望
店舗開業と同じく、ネイリストとして必ず必要な資格はありません。同じく0からの開業の際、資格は有利に働くでしょう。ただ、交友関係を辿ったり、広告を有効活用したりと、資格なしで開業できる可能性はあるでしょう。
どの場合でも、必ず資格が必要とは言い難く、目標が趣味程度の場合を覗き、資格があるに越したことはないというのが正直なところかもしれません。
設定したゴールから逆算をして、資格取得を検討していただければと思います。
6. 最後に
まとめです。
ネイリストに必ず必要な資格はありませんが、「資格を取りたい」ときに基本となるのが以下の2つです。
◾️JNECネイリスト技能検定試験(通称:ネイル検定、ネイリスト検定)
知名度の高い検定試験。1〜3級まであり、ネイリストとして有力な資格の1つ。実技試験と筆記試験が行われ、実技ではポリッシュを使用する。
◾️JNAジェルネイル技能検定試験(通称:ジェル検定、ジェルネイル検定)
昨今人気の高いジェルネイルを扱う検定試験。「JNECネイリスト技能検定試験」の各級合格後に第一課題免除のシステムが存在するため、取得の際は 3級 ▷ 初級 ▷ 2級 ▷ 中級 ▷ 1級 ▷ 上級 の順で受験すると効率が良い。
最後に。
取得には時間・費用がかかります。
目標と擦り合わせながら選択していただければ幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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