偏頭痛体験談 (現在までの治療法とリアルな感想)

梅雨を越えて本格的な暑さに差し掛かる頃。
私はこの時期が一番しんどい。

偏頭痛患者として、他の方の話を聞いてみたい。
正直な感想や体験が聞いてみたいと思ったので、まずは私が書いてみる。
「自分と似ている」とか「そういう方法もあるんだ」と、同じ偏頭痛と闘うどなたかの選択肢が増えたらと思います。

簡単な頭痛状況

・月MAX28回(1年前、大小含めて)

・小学校からのお付き合い

・現在服薬、皮下注射中

※あくまで個人の経験談です。医療関係者ではないこと、ご理解よろしくお願いいたします。

目次

1. 偏頭痛の始まり

a.「偏頭痛」と診断

「偏頭痛です」と診断されたのは高校2年生の頃。
体育で野球をしていたら突然、タイムスリップでもするのか? というくらい目の前がキラキラした。これがいわゆる「閃輝暗点」だった。

もともと頭痛持ちの自覚はあったのでそのまま頭痛外来へ行き、MRIやCTを撮って、脳の異常ではないことを確認する。
強い頭痛の怖いところはくも膜下出血や脳出血、脳腫瘍の可能性があること。MRIやCTでは、それらの可能性を探ることになる。

そうして、たくさん頭に吸盤みたいなものをつけられたりもしながら、正式に偏頭痛の診断が下った。
このときの自覚していた症状は、肩や首の凝り、頻繁な頭痛と、たまに寝たくなるほどの頭痛。
首の凝りが酷かったので、緊張型頭痛かな? とか疲れかな? とも疑っていた。
今ほど偏頭痛という単語は聞かなかったし、ましてや中高学生では調べもせず。思えば小学生から週末は「土曜日病」とか言って寝込んでいたので、その頃からも気質はあったのかもしれない。

診断が下りたことで、やっと「治していきましょう」となったわけである。

b. 対処法❶ 服薬その1 ー急性期治療薬

始めに処方されたのは前兆があらわれた・頭痛が感じられた時に飲む薬(急性期治療薬)である。
薬の名前など出して良いのかわからないため「当時プラスチックケースに収納され、紙に封された薬①」としておく。(安易にすすめる資格がないのでわかりづらいですがお許しください。)

これが私にはどうしても合わなかった。
胃の不快感と強い怠さ、急激な眠気。それまでなかったのに授業中にしっかりと居眠りし始める。しかも眠いと感じるより先にバタンと寝てしまう感じで、壁が近い席のときは授業中終始寄りかかって寝るようになった。
当時、副作用というのを経験したことがなかったので、これで頭痛が治るならと耐えていたのだけれど、あるとき市販薬だけで乗り越えようとしたときに「いつもより体が楽だな?」と気がついて病院に相談。薬①から薬②へと変わる。それでも副作用は変わらず、どちらもやめることになった。

これは完全に余談だけれど、当時頭痛外来というものが少なかったせいか、はたまた自分の通っていたところだけか、頭痛患者は他の科に比べて後回し気味だった。
命にすぐ関わるわけではないし、頭痛というものが脳のせいなのか、精神的なものか、整形か、生活習慣、または他の不調からかーー。色々な可能性が重なり合って起こり得るものでもあるから、専門科を置きつつ病院側も力を尽くしきれていない雰囲気があった。

そんな空気を感じ、また副作用があらわれるのも辛いしと、このあと社会人になるまで市販薬で対処することになる。

2. 市販薬で対処(注意あり)

成人後も、就職後も頭痛は続き、小中高より強いものが増えていった。
一日寝込むときも、寝返りが打てないほど振動が頭に響くときも、めまいが止まらないときもある。

そんなときは、市販の頭痛薬を飲んで眠る。

そうすると翌日かその翌日にはマシになる。
それを月の半分ほど繰り返し、騙し騙し乗り越えた。

ただ、ここで注意しなければいけないのが「市販薬を飲み過ぎてはいけない」こと。

薬に慣れてしまうのはもちろん、異変を感じながらも体を騙しながらお医者さんに見せずに何年も放置するのは体に良くない。
実際私も薬剤師さんに注意された(毎日長期間飲んでいたため)。

用法を守っても頻繁に飲むことは根本的な解決にはならないのと、別の不良の原因になる可能性もあるため気をつけねばならない。

※時間・金銭的に難しい場合もあると思う。体の状態によっては金銭的補助が受けられるシステムがあったりする。忙しくて時間が取れないときはその忙しさが体調不良を隠していたり、拍車をかけていたりするかもしれない。何より自分の体を優先に動いてくださればと一個人ながら思う。

3. 別の頭痛外来へ

a. 頭痛の悪化

一度見切りをつけた頭痛外来に再度訪れようと思ったのは、頭痛が明らかに悪化したからだ。
早い話、吐くようになってしまったからである。
(以下、その時の描写があるため苦手な方は b. まで飛ばしてください。)

それは突然だった。
家族で出かけ、いつも通り人混みに頭痛が誘引されて、落ち着くまでカフェで座っていた。冷房がよく効いていたためとても寒く、ホットティーで暖をとる。この頃には辛くてあまり話せなかった。
早めに帰ることとなり電車に乗り込み、数駅越した頃に突然脂汗が出る。
初めてのことに焦り、家族の服を引っ張って「吐きそうかも」と伝えて扉を出た瞬間に限界だった。
そのときの家族には感謝しかないのだが、様子の異なる娘にさっとタオルを当て、隅に寄せてくれた。
周囲の目も気になりながらその場を切り抜けて、多目的トイレまで歩く。
偶然買っていたブラトップと、持っていたカーディガンを羽織り、買ってきてくれたビニール袋に汚れ物を詰める。幸い数日食欲がなかったため被害は最小限で、お手洗いを出る頃には落ち着いていた。思えばカフェでの寒気はその前兆だった。

外で吐いてしまうのは予想外で初めてだった。
駅のホームでうずくまる人が頭痛によるものかもしれないと初めて知る。

体調が悪いというのは本当に辛い。
助けも身内でなければなかなかない。感染症などを疑うと自分も手を伸ばせない。

「もう電車に乗りたくない」と思い始めたので、もう一度通院することを決めた。

b. 対処法❷ 服薬その2 ー予防療法

以前とは別の頭痛外来へ訪れた。初診から7年ほどぶりの通院である。
再度MRIを撮り、やはり脳の異常ではなく偏頭痛と確認して診療。
嘔吐も偏頭痛によるものと断定された。

ここで処方されたのが予防療法としての薬③。
漢方薬もこれに含まれるが、以前使用して自分には効果がなかったので別のもの。
対処療法と異なるのは「痛い/痛くなりそうなときに飲む」でなはく頭痛の頻度を減らす・程度を軽減する目的で使用するところだ。

眠気等の副作用の可能性があるが、私は今のところ問題なく服用している。

幸運だったのは病院の先生との相性が良かったこと。淡々としている先生だけれど頼りになる。
他の科の開いていない時間から診療を始め、休日も祝日も診てくれる。「先生は大丈夫ですか」と聞いても、「僕を待つ患者さんがいっぱいいるから」と答えてくれて、この先生についていこうと強く思った。患者にとって先生が頼りになるというのは偉大で、素直に話を聞いたり打ち明けたりできる。
こういう先生に出会うことも改善への一歩なのでとても感謝しているし、色んな先生の話を聞くというのも解決の一つの手になるだろう。

4. 皮下注射について

現在私は、予防薬③に加えて急性期治療薬④としてトリプタン製剤(以前飲んでいたものとは別のもの)、月に一回皮下注射を行なっている。

副作用が出やすい自分も今回の急性期治療薬は合っていて、薬を飲むタイミングが合うと吐き気を催すような頭痛は出なくなる(頭痛はある)。

ちなみに最近新薬(酷い頭痛時に飲む)を試してみたが、私には合わず吐いてしまった。おそらく副作用によるもので、合う薬を探すのは長い道のりだなと思わされる。

a. 皮下注射

先ほどのように、現在月に一回皮下注射も行なっている。
高校生の頃に存在だけ知っていたが、今は3種から選択できるようになっていて、医療に関する発展には頭が下がるばかりである。理系の方は本当にすごい。

皮下注射の原理について説明するのは難しいので各自調べていただきたいが、主に「偏頭痛の原因に作用するもの」と「偏頭痛発作が起こるのを抑えるもの」にわかれている。(投与間隔、初回に打つ本数、副作用も異なる)

注射の形としてはインスリンをイメージしてもらうとわかりやすいと思う。
ボールペンのような形で、ノックして針が出る。
刺すのはお腹や太もも、腕、お尻。打つときにホチキスのような衝撃はあるけれど、針は細い方なので見た目より痛みはないかと思う。痛いけれど。

私の場合、一種類目を試した直後の月は頭痛が落ち着き、それ以降はもとの頻度へと戻っていった。頭痛の変動が注射によるものなのかもわからず、6-7月に頭痛が酷いこともわかっているので、7月に入った段階で二種類目の注射に切り替えたところである。

副作用としては一種目のときがきつく、酷い便秘になった。「辛いのは出ないことじゃなくて食べられないことなんだ……」なんて日々が続き、体重が3〜4キロ減った。大人になってからの過去最低体重を叩き出す。その後便秘薬をもらったり、注射に体が慣れてきたことで落ち着いた

今自分は二種目が効くことを祈っている。

b. 特記事項として

自分はうつ病も治療している。
それに伴って言うべきことは、抗うつ薬も飲んでいるということだ。

ご存知かもしれないが、抗うつ薬も偏頭痛に効果があるとされている。
自分の場合、吐いてしまうほど酷くなる前に抗うつ薬の服用量を変えたり、飲むのをやめたりと不規則になっていたので、偏頭痛の変化にはこの薬が関わっているかもしれない。

偏頭痛には様々なアプローチがあることを書いておく。

5. 最後に

現在の自分の状況をまとめとして。

・毎日の予防薬③

・頭痛発生時の急性期治療薬④(効いている感じ)

・皮下注射

・抗うつ薬

こんな感じ。

頭痛は

・月15-17回

・大人しく家にいれば発生しない or 数時間寝れば落ち着く。

・外出後は大抵頭痛に倒れる。

・まれに無敵な期間がある(毎日自転車で走り回れる)。

・たまに一日ぐったりする(疲れや気圧に関係あるとき、ないときあり)。

と、比較的落ち着いている。
時期や天気、予定にも左右されるためなんとも言えないが、このまま二種類目の注射が頻度を抑える方向に効いてくれると及第点だ。

最後に、
何度も書くけれど、自分に合った薬や治療法を見つけるまでは長い。

そしてどうやったら治るのか、生活なのか姿勢なのか精神なのか体質なのかわからない。動けないことでストレスも溜まる。何より頭が痛い。
治すには我慢が多い。
でも合った対処法が見つかって楽になった人もいる。

もし同じ偏頭痛に悩む方がこれを読んでいたら、一緒に頑張りたいと思う。

視界が回ったまま、何もできず頭痛と闘う時間は本当に心が沈む。
それでも「治ったよ」とか「自分もだよ」などが聞けたら、もう少し付き合おうと思える。誰かのためになるといいと始めながら、本当は仲間が欲しくて書いている。

どうか悩む人が改善にむかって、自分もよくなりますように。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

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